「不思議な少年」(4) 山下和美

 時間を超越した存在である、天使をイメージするような不思議な少年が様々な時代や地域の人間の心と生き様を観察するという作品。
 相変わらず、出来がいいですね。この巻は、現代の日本、鎌倉時代ぐらいの日本、昔のヨーロッパのロム族が舞台になった3つ話が収録されています。個人的には、1話目がよかったです。3話目のロム族は前編と後編に分かれており、しかもそれぞれかなりのページ数があるので読み応えがあります。ロム族というのは俗にジプシーと呼ばれる放浪生活をしている民族の名称で、私はロマという名称の方が馴染みがあったので、ロマをモデルにした架空の名称なのかと思ったのですが、ロマはロムの複数形らしいですね。知りませんでした。