モーニング51号 「すなおになれば」門井元

 『でめいあ(半休止中)』の11月18日の記事で知ったのですが、今週号のモーニングで第48回ちばてつや賞大賞を受賞した「すなおになれば」の作者である門井元は、「MOTHER3」の作画メンバーだそうです。検索してみたところ糸井重里もサイトで紹介していたようです。雑誌に載っていた作者のコメントで、現在の職業がゲーム業界だとは書いてありましたが、こんな旬な仕事に携わっていたとは驚きました。ゲーム業界でも力のある人のようですね。
 受験を控えた女子高生が主人公。学校の成績や評価、交友関係もそれなりに上手くやっているのですが、自分の置かれた環境や周りの人物を素直に肯定できず、ずっと違和感を感じている。そんな中で、ツール・ド・フランスのような世界の自転車レースに出る事を夢見る同じ高校の夜間学部に通う男子生徒に心引かれていくという話です。
 受賞の評価の通り84ページというページ数を一気に読ませる力と魅力のある作品でした。ストーリー自体は特に珍しいものではなく、どんでん返しのような大きな変化もなくどちらかというとありきたりでこじんまりとした話です。ですが単に地味な展開なだけではなく、主人公の女子高生の心情を丁寧に描いているため、気持ちよくストーリーを追っていけました。どのような漫画家を目指すのかはまだ分かりませんが、また作品を読むことが出来ることを期待しています。