人に説明することの難しさ

 明日は、卒論発表会の予行練習があります。今週末の本番に備えて研究室内の人間だけで行うものです。発表用のパワーポイントを作っていて改めて思ったのですが、予備知識がない人間に一から説明することは非常に難しいことです。
 自分たちは1年間かけて研究してきたことなので、専門家とは言えないまでもある程度の知識があります。しかし発表会においては、聞く側がその研究について何も知らないという前提で説明しなくてはいけません。
 そうなると、自分たちにとっては当たり前の事が、相手には当たり前ではないわけで、より分かりやすい表現と構成で簡潔にまとめる必要があります。しかも、そうやってまとめていると今まで分かっているつもりだった事が、上手く説明ができず実は完全に分かっていなかったなんていうことも出てきます。人に説明するためには、単に知っているということだけでは不十分であり、より深い知識が必要だということだと思います。
 多くの知識を共通した人間を対象にした文章を書くのは楽なものです。それが悪いわけではありませんが、大変なのは誰にでも理解してもらえるような文章を書く方でしょう。ネット上で、共通した知識や感覚を持った人間が集まりやすいのはその為だと思います。