衝動買いを誘発する売り方

コミックスの売り上げを支える衝動買いと、ネットが弱い逆提案型販売』(デジモノに埋もれる日々

 私は、ネット書店をリアルの書店に目当ての本が無かったときに手に入れる方法として使っているので、いわゆる衝動買いという買い方は、大抵の場合リアルの書店で起こります。それでも買うか迷った末に買うという確率は、ネットよりリアルの書店の方が高い気がします。ネットと比べてリアルなら商品を実際に手に取って確認することができ、レジで代金さえ払えばすぐに手に入れることが出来るからです。
 ネットにしろリアルにしろ衝動買いとは、ジャケ買いを除くと、どこかで評判を聞いていたものや、自分の中で買うか迷っていたものを見かけて突発的に買うことであり、買う以前にその商品に対する予備知識が必要になります。そこで重要になるのが、ネット書店では個人の趣向に合わせた他の商品のオススメすること、またリアルの書店ではPOPなどのその場で知識を供給するという手段です。売れ筋のランキングなどもその一つですし、立ち読みが出来るかできないかということも一つの要素だとは思います。
 そんな意味でも、現時点でまだまだネット書店は、買いたい本が決まっている人や、買いたい本の知識が多いマニア向けという感はあります。ネット書店のシステムは更なる改良が必要なのでしょう。
 リアルの書店においては、売り場の担当者の力が大きいと感じます。私の家の近くにある書店も、半年ぐらい前に、明らかに売り場の雰囲気が変わりました。商品のラインナップが変わったのではなく、売り方や目の付け所が違うのです。話題になっている本の情報が早く、それを知らない人にも紹介して売ろうという意思を感じました。衝動買いを誘発する売り方です。マンガオタクの担当者が売り場に関係してきたことは明白です。同族の匂いがしました。
 まあ、それでも売り場としてはメジャーとマイナーの兼ね合いが難しいでしょうから、どれぐらいマニア寄りにするかというのは悩むところだと思います。特に一般書店ではそうでしょう。でも私としては、近くに使える書店が増えた方が単純に助かるのでこの方向に進んで欲しいものです。