「さんさん録」(1) こうの史代

 妻に先立たれた参平が、妻の残した生活の知恵をまとめたノートを頼りに、息子夫婦との同居生活で専業主夫になるという話。
 凄く面白かったです。連載で読んでいても好きでしたが、まとめて読むと更に良かったです。こうの史代らしい淡々として飄々とした作品の流れの中に、毒味を帯びた笑いがスパイスのように効いています。家族とは、こうあるべきだというような型にこだわらない自然で自由な展開をしつつ、いい話になるのも素晴らしいです。
 表紙にも登場している、ちょっと変わった孫がいい味を出しています。参平とのコンビもなかなかいいコンビです。あと私は、とことん仲の良い夫婦モノに弱いのだと改めて感じました。嫁もキュートなのもいいです。多くの人にオススメできるマンガだと思います。