「大東京トイボックス」(1) うめ

大東京トイボックス(1) (バーズコミックス)

　弱小ゲーム会社を舞台に、ゲームクリエーター志望の女性・百田モモが奮闘する話。以前モーニングで連載していた「東京トイボックス」の続編です。バーズにて連載中。
　主人公を新人にしたことで前作と比べて、新鮮さが増し、成長物語として上手く成立していると思います。キャラクタを大切にして、感情をじっくり書いているので物語をしっかり楽しめます。ピリピリした緊張感やクライマックスでの熱い展開など表現力も素晴らしいです。派手さは無いですが、絵もスタイリッシュですし、もっと評価されてもいいマンガだと思います。
　主人公のキャラも面白いですが、やっぱり前作から引き続き登場している女性社長である月山が魅力的です。会社と自宅のギャップやなかなか素直にならないツンデレ要素と、ツボを押えたいいキャラです。あと新ハードの登場や残酷描写と自主規制など、時事ネタぽいゲーム業界の状況が組み込まれているのも特徴でしょう。現実感の演出の為なのか、2chのスレやファミ通、ゲームショウなどの単語をそのまま使っているは珍しい気がします。
　前作「東京トイボックス」は買ってなかったのですが、全2巻ということもあり機会を見て購入しておこうという気になりました。このように、続編単体でも楽しませつつも、同時に前作にも興味を持たせるようなマンガのつくり方は、続編マンガという観点から考えても成功でしょう。オススメです。