「ムーたち」(2) 榎本俊二

ムーたち(2) (モーニング KC)

ムーたち(2) (モーニング KC)

 小学生のムー夫とその両親の生活と思考で綴られるギャグマンガ

 所謂ギャグマンガのカテゴリからは完全に逸脱しています。感覚マンガとでも言えばよいのでしょうか。想像が暴走する様は、まるで思考実験みたいです。溢れるほどのオリジナリティーで展開されるギャグは、それ自体がもうギャグなのかすら分かりません。シュールの一言では片付けられない感覚です。

 なんか読んでいて悟りが開けそう気がする勢いです。セカンド自分、サード自分、フィフス自分、もう素晴らしすぎます。脱帽。個人的には、雑誌で読むよりも単行本でまとめて読んだ方が、この濃厚な世界観にどっぷり浸れて良い感じがします。

 巻末解説は斉藤環。個人的に苦手な人ですが、解説自体はなかなか興味深い分析でした。万人に向けて自身を持ってオススメする勇気はありませんが、ともかく素晴らしすぎるマンガです。読んでいて身悶えました。