表現者と読者の知識レベル

 今日買ったものはどうにか全部読み終わったので、試しに雑誌の感想も書いてみました。でも、上手く雑誌の感想を書くのって難しいですね。それぞれの連載が1話ずつだから、感想が細かい部分での突っ込みになりがちなので、結局相手も既にそれを読んでいることが前提の書き方になってしまうんですよね。
 個人的には、少年ジャンプの感想などでありがちな、ほとんどの連載に対してただのあらすじ的な説明をしたり、自分の感じたコメントを数行付けたりするタイプの感想は情報性が薄くて、いまいち興味が持てないことが多いです。TVアニメのキャプチャサイトってのも同様な意味でどのような層に対して需要があるのかよく分かりません。友人なんかは見逃した回の補完の為だなんて言っていましたが、ちょっと違う気がするんですけどね。まあそんな理由から、今まで雑誌の感想には触れないようにしようかと考えていた訳です。
 雑誌に限らず単行本の感想の書き方でも迷っていることがあります。単行本の場合にはまだそのマンガを読んでいない、またはそれ自体を知らない人も意識して書いた方がいいのでしょうか。一般的には最初にそのマンガの紹介を一言ぐらいでしてから、内容に踏み込んだ感想を書くというのがセオリーな気がしますが、それをそのまま真似ていればいいのでしょうか。
 でもマンガの感想を書く場合って、ある意味で読み手に最低でも自分と同程度の知識を要求している面があると思います。つまり多くを説明しなくても、話が通じて情報や感情を共有することが出来るという、ある意味での閉鎖的なコミュニティ的な感覚に対して居心地の良さを感じているわけです。
 またそれは逆に自分が読み手になったときも同様であり、感想の書き手に対しては自分以上の知識や着眼点、表現力を要求していると思います。少なくとも私は、それが自分勝手で無茶な要求だとは分かっていても、特にネット上では相手に自分以上の知識を要求してしまいます。そのため、読んでいて自分より豊富な知識を持っていて鋭い視点の感想を書いていると感じる人に対しては、素直に感心するのですが、自分よりも生活におけるマンガのウェートが低く、マンガの優先順位が低い人の感想を読むと、まあ許せないというのは大げさでも何かすっきりしなく、どちらかと言うと不愉快に近い気分になってしまいます。
 これって相手に対して優越感を感じたいとかいう気持ちでは無いと思いたいのですが、なんなんでしょうかね。単に私が権威的なものに弱いのでしょうか。まあこれが自分の事を棚に上げた論理であり、格好いいオトナの態度では無いことは確かなので、出来ることならどうにかしたいとは思ってます。