「さよなら絶望先生」(1) 久米田康冶

 ネガティブ思考の絶望先生とその生徒達とのギャグ漫画。時事ネタやマニア向けの小ネタを各所に盛り込んだりするノリは「勝手に改蔵」とほとんど変わっていません。単行本の構成も「改蔵」のものと同じで、カバーの折り返しとカバーを外した本体の方に、小ネタが仕込まれています。巻末の作者コメントや読者コーナーも引き続きやるようですね。あの痛さは意識してやっているのでしょうが、けっこう辛いです。とくに読者コーナー。
 まあ、そんな訳で内容の方もいつもの展開ですね。作者もこのスタイルに慣れているようで、安定しています。つまらなくは無いのですが、凄い面白いというわけでもなく、個人的にはちょっとお腹いっぱいという気もします。別に、作者にとっての鬼門であるところのストーリーものを描いてほしいと言うわけではないですけどね。
 まだ自分の中でも久米田康冶に対するサンデーのイメージを払拭できていないので、このマンガがマガジンで連載されているということについていろいろと感慨深いものがありますね。まあ普通ならこの後、最近のマガジンうんぬんという話になるのですが、長くなるのでパスします。
 でも、サンデーを読んでいなく「改蔵」も知らなかったというような、マガジン読者がこの単行本を買うことはあるんでしょうかね。ネット上での話題も「改蔵」ありきな気もしますし。