「アフタヌーン 12月号」

 今号も厚いです。読み応えがありますね。
 表紙と巻頭カラーは、アニメの第1話の評価が、非常に高かった漆原友紀蟲師」です。今回は、前編と後編に分かれているので後編は次号だそうです。マンガの方も話の出来にはずれがない、非常に安定したものになっています。アニメもあの出来を保って欲しいものです。
 特に面白かったものは、木村紺神戸在住」、平本アキラ「俺と悪魔のブルース」。「神戸在住」は、ゼミの先生の紹介で演劇の背景などの道具作りを手伝う話。新しい舞台で新しい登場人物が何人も登場しますが、それぞれ魅力ある人物を描いています。いいですね。
 「俺と悪魔のブルース」は、緊張感がたまりません。白人と黒人の人種問題を冷静に残酷に描きます。続きが気になる展開です。
 そして、とよ田みのるラブロマ」が最終回です。最近の展開から言っても、それほど意外な気はしません。最終回の話自体も淡々としつつも暖かい終わり方でした。気恥ずかしさがあって単行本は買っていませんでしたが、なかなかいい作品でした。この作者が次回作にどのようなテーマを選ぶのか楽しみです。
 読み切りは、2005年秋のコンテスト四季大賞受賞作品、山本きり「さくらふる空のむこう」。幽霊が見えたり狐を使役できたりと霊能力者みたいな能力を持った主人公の女子高生が人助けをする話。地味な印象はありますが、完成度は高くさわやかな作品です。主人公の明るいキャラやおじいちゃんや幽霊の杉山さんの飄々ととぼけたキャラ作りも好印象です。