「EVIL HEART」(3) 武富智

 合気道を通じて、家庭環境に悩む主人公の成長を描いたマンガ。
 残念ながらこの3巻で打ち切り。様々な伏線を残したまま中途半端なところで終了です。「CARAMELA」に引き続き3巻で終りとは、力のある漫画家が書いた面白いマンガだっただけに勿体無いです。しかも、まだまだこれから続けられそうで、どんどん面白くなりそうな展開だっただけに悔しいです。連載を読んでいたときも、突然の終了に呆然でした。心編が終わっただけなのかと思って、次回予告を必死に探していた思い出があります。1巻と2巻を連続で読んだときも、感想が書けないほど衝撃を受けたマンガだっただけに、本当に近年で一番ショックな打ち切りでした。
 この人の描くキャラの表情が好きです。見つめている顔、笑っている顔、泣いている顔、怒っている顔、どれもいいですね。構成的には、武道としての合気道と家庭問題を描くバランスに苦労していたようです。合気道少女である鶴が出てきたあたりから、合気道モノとしても面白くなってきたと思ったのですがね。
 あと単行本の最終ページに氣編という文字があるのですが、これってどういう意味なのでしょうか。もしかして期待を持ってもいいのでしょうか。期待しちゃいますよ。