「アフタヌーン 1月号」

 かとりまさる/安藤慈朗しおんの王」が、最近面白くなってきてます。両親を殺されたショックで話すことが出来なくなった少女が棋士になるという話なのですが、単純な将棋モノにはしないで、両親を殺した犯人を追うというミステリ的な要素を加えたことがここに来ていい具合に作用してきました。連載開始当初は、他のキャラの設定を含め、エンターテイメント性が高くどちらかというとイロモノ的な印象が強かったのですが、最近犯人についての手がかりが出てきたことで、その2つの配分がうまく機能してきていると思います。現在のところ、まだ単行本を買う予定はありませんが、引き続き雑誌で追って行きたいです。
 先日単行本も出たばかりの岩明均ヒストリエ」は、その最新刊の続きからです。しかし、やっと掲載されたと思ったら、いまいち話は進まないし、打ち切りマンガのような断片的な構成でちょっとがっかりです。作者の近況のところに、一年分のしわ寄せで体にガタがきたと書いてあったので、体調がいまいちだったのかもしれません。来月号は休載で3月号からまた始まるそうです。
 「神戸在住」は、演劇のエピソードが終わりました。主人公の桂も新しい経験をして、自分の進む道を意識したようです。桂が大学を卒業したら連載終了でしょうか。「巨娘」の掲載もずっと心待ちにしています。
 読み切りは、四季賞2005年秋のコンテスト「四季賞」受賞作品、谷藤満「瓶の中の蛙」。銭湯が舞台の話。ネタバレぽくなってしまうのであまり詳しく話さない方がいいでしょうが、特に大きな展開はありません。確かに絵は目を引く上手さです。でもちょっと物足りなかったかな。また登場するかは微妙なところです。登場したら絵ですぐ分かりますね。 
 今月号は、漆原友紀蟲師」と熊倉隆敏もっけ」も両方載っていて豪華でした。本当に読み応えがある雑誌です。次号からは幸村誠ヴィンランド・サガ」も始まります。