感想を書く上で『〜みたい』は禁句かも

 最近、何かを評したり、感想を述べる際に使う『〜みたい』という言葉は、あまり良い表現ではないのかもしれないと感じます。確かに、そう言った方が相手には分かりやすく伝わるでしょうし、自身が素直に感じたことが『〜みたい』だったりもするでしょう。
 しかし、その作品を表すのに別の作品を持ち出して『〜みたい』と言ってしまうと、その時点で例に挙げた作品との類似点に囚われてしまい、純粋にその作品について思考することができなくなる危険性があります。だからこそ、アンチ派が特定の作品を糾弾するために『〜みたい』、つまり盗作だとかパクリだとかいう常套文句を使う訳です。『〜みたい』という言い方には強い影響力がありますし、こういう言い方で否定した方が簡単で楽だからです。
 まあ、世の中には明らかなフォロワーの存在もありますし、『〜みたい』と感じること自体が問題だとは思いません。それに感想を述べる際には、類似する作品との比較論を展開することも表現方法の1つでしょうから、もしかしたら禁句であるという言い方は大げさかもしれません。しかし、少なくても誰かに読んでもらう事を前提としている文章では『〜みたい』という表現はあえて使わない方が、その作品を表すための言葉の幅に広がりが生まれて、他人の影響を受けたのではなく自分で感じたり考えたりしたより自分らしい感想を書くことが出来るのではないかと、自戒の意味も含めて思うわけです。
 私は、大多数が言っていることとまったく同じだったり、ただ漠然と面白かったというようなことではなく、自分には無かった独自の感性や切り口を感じ取ることが出来るような冷静で具体的な感想の方が読みたいですし、出来ることなら自分でも書けるようになりたいと思います。