「目の玉日記」 小林よしのり

 作者が白内障の手術を受ける様子を描いた描き下ろしのマンガ。

 深刻な闘病記というわけではなく、基本スタイルはエンターテインメントです。マンガのスタイルも基本的にいつもと変わりません。久しぶりに読んだ小林よしのりのマンガのはったりと勢いは新鮮でした。登場する医者の論調なんかもいつもと同じで濃い芸風です。自己陶酔型の頑固で偏った思考に対しては、拒否反応を示す人もいるでしょう。私としても、率直に言って好きにはなれない人です。
 しかし、マンガに関して言えば読者のニーズに応えるために分かって描いている人です。分かりやすく描くのも上手い人です。目に注射は素直に怖いですし、想像するだけで痛い話です。それらのインパクトを最大限に活用しています。装丁なんかの凝り方も同様です。

 作者に対して抵抗がないなら、一つのエンターテインメントとして読んでみてもいいと思います。読む前段階で人を選ぶマンガです。