「ピアノの森」(12) 一色まこと

 主人公のカイがM響から5年に1度開催されるショパン・コンクールに進むという巻。
 難しいテーマで内容がどうこうということではなく、単純に読み進めるのが楽しいという良質のエンターテインメント作品だと思います。加速しながら舞台が移行します。カイと雨宮の関係がここまでしっかりと描かれるようになるとは思いませんでした。カイを主人公に置きつつも丁寧に雨宮というキャラを生かしています。少年マンガっぽいベタさながらも結構好きです。盛り上げ方が上手いので読んでいてテンションが上がります。決して望んでいるわけではありませんが、ドラマ化してもキャストと演奏シーンさえクリアすればいい線を行くのではないでしょうか。