「臥竜解封録 ナムチ」 高寺彰彦、須永司

 ちょっと間の抜けた河童のナムチが主人公。巻末のインタビューにも書いてありますが「指輪物語」と「河童の三平」にインスパイアされているそうです。92年連載作品の復刊。作品自体は残念ながら未完です。
 テイストは和風ですが、世界観はけっこう王道的なファンタジーです。ヒトや動物、妖怪などがお互いに争っている世界。仲間を集め、賢者を訪ねて助言を聞いて旅をするというようにストーリーは、RPGのようです。軽いギャグの調子は懐かしい印象を受けました。
 一番の魅力は絵でしょう。情報密度の濃い画面は読み応えがあります。略歴を見ると大友克洋のアシスタントだったそうです。