「ロボとうさ吉」(1)(2)(3) 加藤和恵

 太陽系の辺境の星で一人で暮らす少年・ロビンと刑務所を脱獄してきたウサギのうさ吉が軍に追われながら宇宙船で地球を目指して旅をする話。
 子供向けのSFといった印象ですが、ストーリーやアクションシーンなど結構しっかりつくられています。主人公の少年が失われた古代兵器だったりするのは王道ですが、破壊衝動に突き動かされながら自己の存在意義に苦悩するといった感情を丁寧に描いていて好感が持てます。友情や仁義、家族愛など熱い展開もクドくならないぐらいの丁度いいバランスです。
 作者が1巻のコメントでも書いているようにスケールの大きな話のようなので、これらの設定を生かしつつ最後まで描きってくれる事を望みます。