「日本ふるさと沈没」アンソロジー
漫画家自身の故郷が沈没するというテーマのアンソロ本。面子がやけに豪華な上に、すべて描き下しというのが嬉しいです。日本沈没の映画化記念企画だそうです。
ただテーマがテーマだけに、どうしてもバカマンガになってしまいます。シリアスな緊迫感や悲壮感などは基本的にありません。ページ数の関係もあるのでしょうが、どちらかというと少し物足りない作品も多かったです。淡々としすぎている気がしました。
そんな中で一番驚いたのが、鶴田謙二がかなり仕事をしているということです。表紙を始めしっかりとマンガを描いています。久しぶりに見た気がします。他のマンガとしては、ヒロモト森一が良かったです。バカマンガとしてちゃんと完成していました。あと遠藤浩輝のマンガは、9月19日に創刊される「月刊 COMIC リュウ」に続きが掲載されるそうです。なんか微妙な売り方です。
結論としては、執筆陣の中にすごく好きな漫画家がいるという人か、執筆陣を見てその豪華さに痺れるといったマンガ好き向けの単行本だと思います。一般的な面白いマンガを求めている人には、向いていないでしょう。
ちなみに、発売前に発表されていた面子から多少の変更があったようです。具体的には、藤原カムイとふわだいすけの代わりに、空ヲが参加していました。藤原カムイのマンガは、楽しみにしていたので残念でした。
【執筆陣】:鶴田謙二、吾妻ひでお、あさりよしとお、唐沢なをき、遠藤浩輝、伊藤伸平、西島大介、恋緒みなと、米村孝一郎、ひさうちみちお、トニーたけざき、空ヲ、いしいひさいち、寺田克也、TONO、宮尾岳、安永航一郎、ヒロモト森一、幸田朋弘、ロマのフ比嘉、とり・みき