「大原さんちのムスコさん」大原由軌子

 神経症の1つであるパニック障害を抱えた夫との生活をユーモラスに描いた「大原さんちのダンナさん」の続編。タイトルでも分かるとおり、今作では、妊娠から出産、そして子育てと子供を中心とした生活が描かれています。
 基本的に今作は普通の子育てマンガです。パニック障害の影響もそれほど大きく描かれていません。
妊娠した妻や小さい子供に対して様々な心配をしている夫の姿もそれほど特異な印象は受けません。心配性で片付けられる程度です。そういう意味では、マンガとしてインパクトが無いとも言えるかもしれません。個人的には、子育てというものがよく分からないというか、想像すらもで出来ないので、いまいち子育てマンガは楽しめないことが多いです。つまりターゲットではないということでしょう。
 ただ、純粋にマンガとして上手くて、ギャグシーンなどニヤリとするような面白さはあります。つまり、前作と雰囲気は似ていますが、完全な続編ではなくある意味で別物として捉えた方がいいかもしれません。作品としてのテーマが違うようです。

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