「兄帰る」 近藤ようこ

 失踪した婚約者が交通事故で死亡。なぜ彼は結婚式をドタキャンしてまで失踪したのか。遺品を手がかりに婚約者の家族と共にその足取りを追うという話。

 テーマとしては、家族もしくは男と女でしょうか。分かりづらく言葉にも表せないような微妙な感情にスポットをあてています。派手さがないというか、はっきり言って終始に渡って地味なマンガです。しかし、この地味なマンガが非常に面白いのです。
 丁寧な気持ちの描写があるこそ、想像力が有効になり物語に説得力が生まれるのでしょう。みんな色々な事情があり、不幸じゃないけれど、単純に幸せというわけでもない、そんな世界観です。地味なマンガ、地味にオススメです。