「RIN」(2) 新井英樹

RIN（2） (ヤンマガKCスペシャル)

　元ヤクザのボクサー・立石の過去と千代に拒絶されて自暴自棄になるリンの巻。
　立石の過去の話は、流石、新井英樹と言わんばかりに壮絶なのですが、私がこのマンガに求めているのはこれではありません。単純にリンの圧倒的な才能を新井英樹の圧倒的な才能で描き出した試合のシーンが見たいわけです。どんどんフラストレーションが溜まってきますが、これって作者の計算なのでしょうか。まあ、単行本で一気に読めばそれなりに勢いがあって面白いとは思います。
　この巻の目玉は、何と言っても例の初体験シーンでしょう。腐ったみかんやヒーターに貼ってあるカップめんのシールのアップの描写には痺れました。すごいセンスです。でも、これって既にボクシング漫画じゃなくなってますね。これはこれで良いんですけど。