「花ボーロ」 岩岡ヒサエ

 学校をテーマにした連作オムニバスです。冷めてはいるんだけど、何か割り切れないという悲しさや悩みを抱えていたり、外からは何も考えていないように見えるけど、実はいろいろな感情を抱えて暮らしているといった人たちが主人公の話でどれもいい話ばかりです。
 淡々としたペースでなんでもないような日常を描いているようで、実はかなり変わったキャラクターが多いのが特徴です。キャラクターの内面を含めた作り方とその描写、そしてシチュエーションの設定と展開が上手く、漫画家として力がある人だと思います。単行本1冊に綺麗にまとめた構成も非常に鮮やかでオススメの1冊です。どれもいい話ばかりなのですが個人的には、コンビニの話と給食センターの人が出てくる話が好きです。