「年上の彼女」(3) 甘詰留太

 26歳でバツイチなのに、外見は完全に10代のロリ体型なアゲハさんと大学生の主人公との恋愛を描いたマンガ。前巻で2人の間にあった様々な問題に決着を付け、晴れて同棲生活が始まったところからこの巻は始まります。
 詳しい内容については『OHP』のしばたさんが『にゅーあきば.com』でやっている『レビュー』を参考にしてください。正直言って、しばたさんの感想を読んじゃうと書くことが無くなってしまいます。感想を書きたいマンガの場合は、影響を受けてしまうので感想を書き終わってから、しばたさんの感想を読むようにしています。感想の書き方では一番影響を受けていますね。
 それはともかく、感想に戻ります。前巻の、思い悩んで田舎に戻ったアゲハさんを主人公の努が追いかけて行くというエピソードの盛り上がりは、本当に素晴らしくあれで終わってもいいと思ったほどでした。そのため、2人が結びついたその後の展開はどうしても盛り上がり方に物足りなさを感じるところもあるのですが、アゲハさんにヤキモチを焼かせたり、コスプレをさせたり、両親が来たり、新キャラを出したりと、まったりしながらも楽しませてくれます。そういえば主人公がインポであるという設定は忘れていました。
 個人的には、こういう恋愛要素が絡んでくるマンガの感想は書き辛いので照れながら書いているのですが、赤面するような甘い展開も実は好きなようです。恥ずかしいですね。でも、マンガとして見ても、設定作りやそこから話の転がし方などは、エロマンガで磨かれたベテランの腕を感じます。エロマンガを描いていてもキャラやその設定の作り方などは、周りの漫画家と比べて頭一つ出た上手さがありました。シチュエーションで読ませる確かな技術を持った漫画家です。
 掲載誌であるアニマル嵐としては、甘ったるい同棲生活を描いたマンガとして「ふたりH」のようなポジションを求めているような気もします。エピソードが尽きるまでいくらでも続けられそうですが、どうなるのでしょうか。私としては、適度なところで区切りを付けて新しいマンガも読んでみたいという希望もあります。そういえば『A・浪漫・我慢』名義で描いていた「くわがた」もまだ未完ですね。