「GUNSLINGER GIRL」(6) 相田裕

 公社と呼ばれる組織に属する、身体を義体に改造され、薬物と催眠術で洗脳された少女たちが、銃を取り暗殺やテロリストとの戦闘といった業務に従事する話。この巻では、元バレリーナだった少女が新しい義体となり登場します。
 読了後に、何ともいえない嫌な気分になる作品です。ファンタジーとしても、まったく幸せを感じることが出来ない世界です。非難を承知で乱暴なことを言えば、反吐が出る世界です。こちらがどのようなスタンスで対応すればいいのか、非常に悩みます。
 発生した感情を処理し切れません。その発生原因とその分析、作品に対する単純かつ明確な返答を外部に求めたくなってしまいます。とりあえず他の人の感想をいくつか読んでみました。その結果、『ゴルゴ31』でも紹介されていた『「GUNSLINGER GIRL」論』(Something Orange)を読んで少し感情に整理が付きました。
 また、作者がどのようなつもりで描いているのかが気になります。このマンガの銃と従順な少女というキーワードに対して無邪気に喜ぶことが出来る、ある意味で天然系なファンもいるのでしょうか。それなら、この作品の背徳心とセンチメンタリズムは、適度なスパイスになることでしょう。もともとターゲットがそちらなら勝手にしてくださいという感じで処理できるんですけれど。
 単純に面白いと言い切れないのですが、切り捨てられないぐらいに続きが気になります。一度触れてしまったからには、最後まで追います。なんとも歯切れの悪い感想でした。