「もずく、ウォーキング!」(1) 施川ユウキ

 頭がよく、捻くれた考えを持った犬の『もずく』の視点で展開するギャグマンガ。自己の存在意義を問うたり、周囲のヌルさにイラついたりしながらも、心は優しいのでそれなりに平和に暮らしています。
 もちろん「サナギさん」に似ている部分もあるのですが、基本的なスタンスが結構違うような気がします。少年誌と青年誌のように掲載誌のターゲットが異なっていることも理由の1つかもしれません。マニアックだったり、分かりやすかったりと間口も広くなったり狭くなったりしています。派手さがないので、盛り上がり方やオチは物足りない部分はありますが、発想は素晴らしいです。
 あとがきで作者自身も書いていますが、犬にあまり馴染みの無い人が描いた犬マンガな印象は受けました。だからこそ、こんな犬のキャラクタが出来たのかもしれません。