「溺れるナイフ」(3) ジョージ朝倉

 主人公の女の子夏芽と同級生の男の子コウちゃんの恋愛話。二人の仲が微妙に進展しつつも揺れ動く感情が丁寧に描かれています。
 私はもともと恋愛要素が絡んだ物語が苦手なので、読んでいて戸惑ってしまいます。特に、この作品は、主人公が女子中学生なこともあり、その目線と感情に対して素直にはまれず違和感を感じてしまいます。読んでいても本当に面白いのか不安になってしまうのですが、この気持ちを楽しむマンガなのかもしれません。
 そんな中で、何か大変なことが起こりそうなラストの展開は、次巻を買うのをやめようかと考えながら読んでいた身にその購入を決意させるのに十分なインパクトがありました。確か、前巻のときもそんな風に感じてこの巻を購入した記憶があります。これは漫画家としての技量のなせる業でしょう。