「耳かきお蝶」(1)(2) 湯浅ヒトシ

 江戸の町で耳かき屋を生業とするお蝶とその客や周囲の人達の生活を描いたマンガ。
 色気がありつつも明るくてコミカルな作風がいい感じです。ベタな恋愛話や人情話もあるのですが、そのぬるさに不快感はありません。それだけ話作りが上手いということです。軽い調子なのに話は軽くありません。
 また流れるような耳かきの動きとその心地良さの描写には痺れます。渋いですがセンスがよくて面白いです。2巻の帯に、「エマ」森薫がコメントを寄せているのにも頷けます。地味にオススメです。