「さんさん録」(2) こうの史代

 作品全体に流れるほんわかした空気が心地良いです。参平を主人公にしたことで変わった側面から物語が展開するという面白さが出ています。奥さんはいい人ですし、じいさんも格好いいです。
 優しさと寂しさと間の抜けた感じのバランスが絶妙で、他にはない雰囲気をつくっています。流石こうの史代です。途中結構不安定な感じのまま物語が進んで、あっさりとしたラストを迎えますが、これはこれで良かったと思います。多少の物足りなさを覚える全2巻というのが適量なのでしょう。