「密林少年−Jungle Boy−」(1) 深谷陽

 カンボジアを舞台に、10歳でポル・ポト派の兵士になった主人公アキラの物語。原作本をもとに脚色・構成したものだそうです。
 常に死と隣り合わせの世界。軽すぎる人の命。そんな過酷な状況下での無邪気な子供の姿が印象的です。絵が非常に上手いため、描写に迫力があります。

―いつだって「考えるのは僕らじゃない」。「決めるのも選ぶのも僕らじゃない」。命令されたら従うしかない。

(中略)
アキラにとっては、まだジャングルが世界の全てで、世界中の誰もがこんな風に生きていると思っていた(P.90)

 反戦モノとは少し違ったスタンスのようですし、説教臭さはほとんどありません。オススメです。